しもつけ窯の商品はすべて手作りです。
だからどうしてもそれなりの価格になってしまいます。手間を減らせば少しはおさえられますが、独自の作風にこだわればどうしても手間を惜しむわけにはいきません。
具体例では、一番安いもので箸起きの600円、小皿1500円、湯呑み2000円、マグカップ2500円、急須6000円・・・といったところ。
これが高いか安いかは現物をご覧になった方に判断していただくとして、自分としては手間を考えるとかなり無理をしています。
たとえばストライプシリーズなどは、形になった後で全体に布目のような模様を入れて色泥を2色塗り重ね、フリーハンドでストライプ文を入れます。
素焼きの後サンドペーパーを掛けると2色の色や布目文が見えてくるという手法です。こういったところは自分のオリジナルの部分なので、どうしても譲れません。手を抜けないのです。
お店に卸すと、下代はこれの6賭け、厳しいところは5賭けです。
注文の数が少ないときは赤字です。
「だったら値上げすれば?」と思われるでしょうが、ほとんどの方はこれ以上の価格にすると使わずにしまってしまうのです。或いはこれ以上の価格帯は、メジャーな公募展の受賞者や工芸会正会員クラスになってしまい、
別の価値観を持った消費者を相手にしなくてはなりません。
実際に使ってみて、「あれよかったよ」と、言ってもらえる事が作家冥利なのです。
それにしても独自色を出したいあまり、なんとも面倒な手法を考えてしまったものだ・・・と、少し反省。